調査日誌

2024.09.24

桧原湖日記4【調査編5:2024年9月24日】

さて、調査も大詰めです!

今回のメインイベントは拓本マッケラスです!

 

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いつもより少し早めに宿を出て、我々は湖へ向かった。

天気はスカッとする晴れであり、風はやや冷たいものの、あたたかい日光が我々の体をあたためる。

むしろ暑い。

昨日までキンキンに冷やされてきたので、まさかここで暖かくなるとは誰が予想出来ようか。

しかも天気予報的には今日の最低気温がここ数日で最も低く、その言葉通り、朝の宿はとても寒かった。

 

ともあれ暖かければとても調査はやりやすい。

けが人なく無事荷物を積み込み、調査地点へ向けボートを出した。

 

 

マッケラスを投げ込む位置を微調整しつつ、ボートを動かす。

かなりロープやコードに絡まりそうで、気を抜くとこけそうだ。

  

ポイントが決まり、いよいよマッケラスを放り込む。

かなり重量があるので、ズブズブと沈んでいった。ロープがどんどん引き込まれてゆく。

 

水を抜いて圧を上げ、充分時間が経ったら空気を入れる。

ポンプの充電がなくなったら、発電機の出番である。

がたがた言いながらガソリンから電気を作る。

電気ができ、再びポンプを動かす。

パイプをつなぎ替え、さらに空気を入れると、水面がモコモコしてきた。

しばらくして、ボシャン!と大物が釣れたときのような具合で、ドラム缶が浮上してきた。

 


ロープをたぐり寄せ、引き上げる。

昨日より軽い、という聞き捨てならない呟きが聞こえたが、聞かなかったことにした。

しかし、引き上げた際に、下部のコアキャッチャーから大量に水が出てきたのを目撃してしまった。

さらに追い打ちをかけるように、「これで下を開けて水が出てきたらおしまいですね」という声まで聞こえてきた。

・・・さっき出てきたような。

コアキャッチャー側からのぞいてみると、やはり土は採取されておらず、今回も失敗に終わった。

採取するときはダメだったが、最初と最後はよかったので、コアキャッチャーを刺すときに、上手く刺さらなかったのではないかとのことだ。

固い石に阻まれてパイプが刺さらなかったのか。

せっかく今度はいけそうだったのに、運悪く石に激突してしまったのか。

なんとも後味の悪い最後である。

しかし、次回に活かせる経験が得られたということで、今回は幕を閉じることにした。

船長さんが一番悔しそうにしていた。

今回の調査で雨の日も風の日も晴れの日もお世話になった船長さんである。

この場を借りてお礼を。

さらに、発着所近くに住むのあべさんにも、大変お世話になった。

 

こうしてマッケラスの行く末は、次に託されたのであった。

 

昼食を取り終え、拓本班を見に行くと、どうやらそちらでもややトラブルがあったようだ。

石碑に紙を重ねて、拓本を取ろうとすると、毎回突風が来て邪魔されるという。

紙はビリビリに破れ、大変なことになったらしい。

3回連続でそんなことが起こったので、お参りをした・・・

というところでマッケラス班が到着したのである。

区長が宣伝のための情報収集に来ているらしく、ここでギブアップするわけにはいかないのだと、拓本担当の哲先生は言っていた。

 

ガレージに帰ってきて、積みおろして、次はコア処理だ。

  

長さの短いコアに、発泡スチロールやキムタオルを詰めた。

中でも印象的、というか楽しかったのは、コアのスペースを埋めるために、寒天を使ったことだ。

宿からお湯をもらい、普通に食べられる寒天を、ちょっと濃いめで作る。

当然いい匂いがした。

しかし泥まみれなので絶対に食べない。

 

結局資料試料は潜水して採ってもらったものばかりになってしまったが、今後もより安全に、長いコアを採取出来る方法を模索していきたい。

 

 

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さて、調査編は終わりに近づいて来ました!

今回は調査というものがいかに大変かを改めて知ることとなりました。

とりあえずあちこちが筋肉筒筋肉痛ですね。主に腕。

 

では次回の桧原湖日記で!

 

この記事を書いた人
岩原ほのか (神戸大学)
Honoka Iwahara

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